保育士
タイガー
保育園で働いています。調理室から保育室へ、給食とおやつを運ぶ給食用リフトがあるのですが、とても古くて…。最近、扉が閉まりにくい日があるんです。うちは0歳児から預かっているので、衛生面も気になっています。
MEC
タイガー
給食用リフトは、正式には小荷物専用昇降機(ダムウェーター)といいます。0歳から6歳までのお子さんが食べるものを運ぶ設備ですから、衛生面と、決まった時間にきちんと動くことは、とても大切ですね。
保育士
タイガー
そうなんです。ご飯の時間が決まっているので、丁寧に、でもスピーディーに配膳と下膳をしないといけなくて…。古くなったら、直すものなんですか?それとも入れ替えるんでしょうか。
MEC
タイガー
結論から申し上げると、保育園で特に気にされるのは、「衛生」と「食事の時間に確実に動くこと」の2つです。そのうえで、点検の記録といまの状態を整理してから、修繕か更新かを判断するのが順番です。順番にご説明しますね。
| 運ぶもの | 場面 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 給食・おやつ(配膳) | 調理室から保育室へ。毎日、決まった時間に | 止まったり遅れたりすると、食事の時間にひびく。運ぶ場所が清潔なことも大切 |
| 食器・トレー(下膳) | 食後、保育室から調理室へ | 汁や水がこぼれやすい。こぼれたまま放置すると、サビや汚れの原因になる |
ステンレス仕様や操作盤カバーなど、設備の選び方は、給食を運ぶ小荷物専用昇降機の記事で説明しています。ここでは、すでにあるリフトを、衛生的に、止めずに、長く使うにはどうするかを中心にお話しします。
給食やおやつが直接載るのが、昇降かごです。鉄鋼板のかごは、劣化してくると塗装がはがれたり、サビの粉が舞ったりして、異物混入につながるおそれがあります。0歳から6歳までのお子さんが食べるものを運ぶ保育園では、特に気になるところです。
| 気になる場所 | 対策の例 |
|---|---|
| 昇降かご(食べ物が載る所) | ステンレス仕様。水や汚れ、サビに強い(有償オプション)。かごの交換を考えるときに検討する |
| 三方枠(出し入れ口まわりの枠) | ダイノックシートを貼る。傷がつきにくく、水拭きでお手入れしやすい。数時間で終わる工事で、音もほとんど出ない |
| 出し入れ口の扉 | ステンレス仕様にできる場合がある |
詳しくは衛生的に飲食物を運ぶための工夫の記事をご覧ください。毎日の使い方では、汁や水をこぼしたとき、そのままにしないことが大切です。拭き方は、Q&Aでお答えしています。
配膳も下膳も、時間が決まっています。リフトが止まったり、動きが遅かったりすると、食事の流れ全体に影響します。そのため、故障してから直すより、小さな不調のうちに気づくことが大切です。次のようなときは、老朽化のサインかもしれません。
✅ 出し入れ口の扉が、いつもより重い
原因はひとつではありません。扉のワイヤーロープが外れている、左右のロープのバランスが悪い、扉のガイドシューが外れている、などが考えられます。そのまま使い続けると、傷みが進みます。
✅ 台車を出すとき、車輪が引っかかる
かごの高さと床の高さがずれて、段差ができているのかもしれません。段差に気づくほどなら、危険な状態の場合も多いです。
✅ 扉が閉まりにくい、閉まっていても動かない
扉の安全装置(ドアスイッチ)の劣化も考えられます。
「こんな小さなことで呼んでいいのかな」とためらわずに、相談してください。詳しくは保守会社を呼んでほしい違和感の記事をご覧ください。
また、部品には交換の目安があります。主ワイヤーロープ、扉ガイドシュー、リミットスイッチ、ドアスイッチは5〜10年、制御盤や巻上機は10年が、交換をおすすめする期間の目安です(部品の耐用年数の記事)。使う頻度が高い現場では、もっと早く寿命を迎えることもあります。
あわせて、止まったときの連絡先と、代わりの運び方を、あらかじめ決めておくと安心です。
小荷物専用昇降機は、荷物専用で、人は乗れません。出し入れ口が子どもの手の届く場所にある園では、扉を開けたり、中をのぞいたりしないよう、注意が必要です。
扉には、かごが来ていないときは開かない構造や、扉が開いていると動かない安全装置があります(外扉の記事、ドアスイッチの記事)。鍵で管理する「キースイッチ」(詳しくはこちら)もおすすめです。
工事や点検は、休園日や、子どもたちのいない時間帯に行うのが基本です。園の行事や給食の時間にあわせて、日程を組みます。日数は、現地を見ないと分かりません。工事の間、リフトが使えない期間の給食の運び方も、事前に決めておきましょう。
MEC
タイガー
①と②が、保育園でいちばん気にされるところです。③と④は、「子どもがいる」という保育園の特徴から出てくる注意点です。
保育士
タイガー
うちは古いので、工事のときの運び方も、いまから考えておかないといけませんね。
長年使われてきたリフトは、いつか「直し続けるか、入れ替えるか」を考える時期が来ます。
| 比べるところ | 修繕(部品の交換) | 更新(入れ替え) |
|---|---|---|
| 向いている場合 | 傷んでいる部分が限られている | 全体が古く、あちこち傷んでいる |
| 費用 | 更新より抑えやすい | 修繕より大きくなる |
| 工事の進め方 | 日数が短くて済む場合が多い | 工期が長く、必要な書類も増える。施工の時期の調整にも、時間がかかることがある |
| 衛生面 | かごや枠の仕様を変えて、衛生面を良くする方法もある(状態による) | 全体が新しくなり、衛生面も一新される |
| 残る不安 | 交換しない部分は、古いまま | すべて新しくなる |
判断の考え方は、全撤去更新しなきゃいけないの?の記事や、制御リニューアルの費用の記事でも説明しています。
💡 「部品がないから更新」と決めつけないでください。
メーカーの部品が手に入らなくなっていても、代替品や加工で対応できる場合があります。現物を見て判断するので、まずは状態を見せてください。
保育士
タイガー
部品がないと言われて、あきらめかけていた園もあるかもしれません。
修繕か更新かを決めるうえで、いちばん役に立つのが点検や検査の記録です。担当者が代わると、記録が行方不明になりがちです。記録の大切さは、保守点検費用の記事でも説明しています。
✅ 昇降機の銘板の写真
製造した会社名や型式が書かれた札です。
✅ 設置した年が分かる資料
古い書類でも構いません。建物ができた年も手がかりになります。銘板や設置年が分からなくても、ご相談いただけます。
✅ 点検報告書、定期検査報告書の控え
どこがどう指摘されたかが、判断の材料になります。
✅ 不具合や、汚れ・サビの記録
いつ、どんな不調があったか。サビや塗装のはがれは、写真に撮っておくと伝わります。
✅ 予算の時期
公立の園などでは、予算の手続きがあります。時期に間に合うよう、早めの相談をおすすめします。 学校・役所の担当者向けの記事もご覧ください。
MEC
タイガー
分からないものがあっても大丈夫です。園の所在地と、困っていることだけでも、ご相談は始められます。
保育士
タイガー
まず銘板の写真を撮って、点検報告書を探してみます。サビの写真も撮っておきます。
Q給食をこぼしてしまったとき、どう掃除すればいいですか?
まず、かごの中に身体を入れないでください。事故につながるおそれがあります。固く絞った棒モップなどで、外から拭き取ります。そのままにすると、サビや劣化の原因になります。扉の隙間から水が昇降路に落ちてしまったときは、外から見えないので、点検のときに伝えてください。くわしくはこぼしたときの記事をご覧ください。
Qうちの園でも、定期検査報告は必要ですか?
対象になるかどうかは、昇降機1台ごとに決まります。出し入れ口の下端が、床から50cm以上あるかなどが判断の目安で、地域の行政の指定でも変わります。対象なら、おおむね年1回です。はがきが届いたときは、こちらの記事をご覧ください。
Q他社が設置した、または点検しているリフトでも相談できますか?
点検できる機種であれば、他社で設置されたものでも対応します。いま契約している会社を変えたい場合は、まず契約書で、解約の条件を確認してください。
Q点検は、給食の時間を避けてもらえますか?
日程は、園の予定に合わせてご相談ください。給食の時間や行事の日を、あらかじめ教えていただけると、組みやすくなります。
Q衛生面や安全面の設備を、あとから付けられますか?
付けられるかどうかは、お使いの昇降機の仕様や状態を見て判断します。ステンレス仕様や操作盤カバーなどの選び方は、給食用リフトを設置する場合の注意点で説明しています。
保育園の給食用リフトは、毎日決まった時間に動く、園を支える設備です。古くなってきたら、次の順番で考えてください。
① 保育園で大切なのは、「衛生」と「食事の時間に確実に動くこと」
② 衛生は、かごのステンレス仕様や、三方枠のダイノックシートで高められる。こぼしたときは、かごに身体を入れずに拭く
③ 動くことは、小さな不調を見逃さないことから。扉が重い、台車が引っかかるは、老朽化のサイン
④ 「部品がないから更新」と決めつけない。代替品や加工で対応できる場合がある。更新は工期が長く、書類も増える
⑤ 点検・検査の記録と、銘板・サビの写真を残す。修繕か更新かを決める材料になる
リフトが止まる前に、小さな不調のうちに相談することが、いちばんの備えです。
「うちのリフトは修繕で足りるのか」「衛生面をよくしたい」——お気軽にご相談ください。東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木を中心とした関東圏で対応しております。
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