小荷物専用昇降機(ダムウェーター)は重い荷物を持って何度も階段を往復するといった荷物の運搬に関する日常の不便さを解消することができる建築設備です。とても便利な小荷物専用昇降機ですが、使用方法や管理を誤ってしまうと大きな怪我や事故・故障の発生に繋がりかねません。今回は小荷物専用昇降機を使用する方に注意していただきたい事故・故障について各一例ずつご説明いたします。
小荷物専用昇降機で起こりうる事故で特に注意していただきたいのが劣化による扉用ワイヤーの破断です。小荷物専用昇降機の扉は細い線材を撚り合わせた直径3~4mmのワイヤーで吊られています。このワイヤーは使用していくうちに摩耗等により劣化が進むため定期的な交換が必要です。この劣化を放っておいてしまうと最悪の場合ワイヤーが切れ、扉が落下してしまいます。もし使用されているときに扉が落下してしまうと非常に危険です。使用していてもなかなかワイヤーの劣化には気付くことができません。定期点検での指摘があった場合は修繕の検討が必要です。
小荷物専用昇降機の使用でよく発生する故障が荷物の引っ掛けによる停止です。小荷物専用昇降機はかごに荷物を載せて運びます。このかごから荷物がはみ出したまま扉を閉めて動かすと、昇降路内の出っ張りや扉に荷物が引っ掛かってしまいます。そうすると安全のため小荷物専用昇降機は停止し、動かすことができなくなってしまいます。このようになるとお客様自身で復旧させることは難しく、保守会社による確認、復旧作業が必要です。引っ掛けで特に多いのがモップやデッキブラシといった柄の長い掃除用具です。かご内からはみ出してしまわぬよう注意をして載せていただく必要がございます。
少し気を付けていただくだけで安全に快適にご使用いただくことができます。小荷物専用昇降機について、ご不明点や気になる点がございましたらお気軽にお問合せください。