かごを吊っているメインのワイヤーです。小荷物専用昇降機の中でも修繕の優先度が高い修理項目です。交換理由は、錆や素線切れが見られたため交換に至りました。
小荷物専用昇降機で主ワイヤーロープは一番摩耗や劣化する部品です。
ワイヤーロープは、鋼の細線(素線)を撚って束ねた小縄(ストランド)をさらに6~8本撚り合わせて作られており、高い強度と柔軟性を兼ね備えています。またワイヤーロープの芯には、油のしみ込んだ麻芯が通っており、ロープの硬化を防ぎます。
小荷物専用昇降機では、「カゴ」と「カウンターウェイト」にロープを張り、バランスをとりながら巻上機を昇降させます。主に2本または3本のワイヤーロープを使用しています。
特に学校給食の配膳運搬や、工場などの荷物の運搬など毎日使用される現場はどうしても摩耗や劣化が激しくなり、ワイヤーロープの表面に素線切れ¹・摩耗・よじれ・錆が目立つようになり、この症状が出ますと交換の時期となります。
悪い状態のまま放っておくと、ワイヤーロープを張っている巻上機のシーブ(車輪)に傷を付ける事になり、巻上機自体の状態も悪くなりますし、最悪、昇降カゴが落下してしまう可能性があり非常に危険になります。エレベーターでも小荷物専用昇降機でも大変重要な部品となりますので、定期的な交換は欠かせません。
*¹ワイヤーロープを構成する素線が少しずつ切れてしまうこと