扉用ワイヤーロープとは扉を吊っているワイヤーロープで、各階の出し入れ口扉や、カゴに付いている扉にも使われています。主に2本のワイヤーを使用していることが多く、上下開き式の2枚扉は上下の扉を、この扉用のワイヤーを使ってつなげています。また、上開き式の1枚扉は内部の扉オモリと、このワイヤーでつながっていて、扉の開閉が軽くなるような構造になっています。ワイヤーはクリップで留めてあり、緩まないような仕組みになっています。
小荷物専用昇降機の場合、主にフロアータイプの大きい扉には、径が4mmのワイヤーを使用し、テーブルタイプの小さい扉には、3mmのワイヤーを使用します。
交換の目安はワイヤーロープの表面に素線切れ・磨耗・よじれ・錆が目立つようになったら、取替の時期です。また、クリップの腐食や変形が著しいものについても同様です。扉用に使用しているワイヤーロープは径が細い為、磨耗や素線切れの状態を放置すると、ワイヤーが切れて扉が落下してしまう可能性もあります。また、出し入れ口扉は人が昇降路内に転落するのを防ぐ役割もあるため扉用のワイヤーも重要な部品になります。点検時に指摘のあった際は、早急な交換をお勧めします。
この現場ではカゴについている扉を吊っているワイヤーが素線切れや摩耗が見られたため、交換をいたしました。通常の扉であれば1ヶ所の扉あたり、1時間ほどで交換が可能です。ワイヤーロープは消耗品のため、定期的な交換が必要です。