小荷物専用昇降機(ダムウェーター)の故障で、これまでお問い合わせをいただいた中でも多い故障がこの「出し入れ口扉」に関してです。
今回はその中でも、扉が固くて開閉できないという故障について、考えられる原因を解説します。
扉の開閉は四隅にあるガイドシューが、扉レールから外れないように取り付けられているため、スムーズに動かすことができます。扉に台車をぶつけてしまったり、強い力で開け閉めするとガイドシューがレールから外れてしまったり、ガイドシュー自体が破損してしまい、開閉ができなくなる場合があります。また、ガイドシューの劣化や摩耗が進むと破損して開閉できない状態である可能性もあります。
出し入れ口扉の動作には、扉用のワイヤーロープが使われており、そのワイヤーロープが滑車から外れている、またはドアロックなどの内部部品に引っかかってしまっている場合は扉が非常に重くなり、開閉に支障が出てしまいます。上記と同様に、扉に台車をぶつけたり、強い力で開け閉めすることが原因で起きる場合があります。
扉用ワイヤーロープの劣化、荷物がはみ出したことによる引っ掛けなどによって、ワイヤーロープが切れてしまうことがあります。
切れている状態は大変危険ですので、扉には触れず、専門業者によるワイヤー交換を依頼ください。
メンテナンスをされていない小荷物専用昇降機に多くある事例です。使っているうちに扉レールやガイドシューが歪んでしまうことや、グリスが乾いてしまっている状態が発生し、扉が固くなっている可能性があります。
電動扉の場合は、制御機器が不具合を起こしているなど、その他の要因によっても開閉に支障が発生するケースがあります。
①~⑤いずれの場合も、無理に扉を開閉しようとすると、症状を悪化させてしまったり、最悪の場合は事故が起こる可能性があります。無理に直そうとせず、保守メンテナンス会社、または弊社までご相談ください。
扉の開け閉めはゆっくりと丁寧にお願いします。また、台車等を扉にぶつけないように、丁寧に荷物の出し入れをお願いします。