小荷物専用昇降機(ダムウェーター)には「昇降かご」の中に荷物を載せて昇降させます。停止階のフロアの面と昇降かごの床面の高さが合っている状態で止まっていることが正常です。しかし、何度も使用をしていくうちにフロアの面と昇降かごの床の高さが合わなくなり、段差が生じてきます。今回はその段差について解説致します!
大きな荷物を運ぶ場合に設置される「フロアタイプ」は、台車をそのまま昇降機に載せるため、少しの段差でも発生してしまうと台車が突っかかり、荷物を落としてしまう可能性があります。台車を載せる使用者の方も台車を持ち上げるなどの力が必要になり、スムーズに台車を載せることが出来なくなります。
AC1制御は、常に巻上機の定格スピードで上昇・下降をし、停止時の減速はありません。そのため、急動作・急停止になり巻上機と主ワイヤーロープの摩擦が大きくなるため、それが原因になり、昇降かごの段差が発生します。
巻上機のシーブの溝が著しく磨耗していくと溝に主ワイヤーロープが入り込んでしまいます。主ワイヤーロープが綱車の溝に入り込んでしまうと、摩擦力が弱くなり、挟み込む力も弱くなり滑ってしまいます。ブレーキをかけても主ワイヤーロープがスリップし、正しい位置で停止できず定位置に止まらず段差が発生します。
巻上機にありブレーキパットが摩耗してしまってもブレーキの効きが悪くなり、きちんと定位置に止まらず、段差が発生します。
昇降かごはリミットスイッチの中の着床スイッチによって、フロアに昇降かごを止めています。そのリミットスイッチが老化・故障することによって、着床位置が定まらず段差が発生します。
段差が出来ないようにするためには、原因となる部品の修繕を行うことです。先ほど取り上げた、巻上機やリミットスイッチを新しいものに取り替える、制御方式をAC1制御からインバータ制御に変えた制御盤に交換するなど、昇降かご以外の部品を取り替えることで段差をなくすことが出来ます。
日々の使用で昇降機をやさしく使うことも大事です。荷物を載せる際は、負荷がかからないようにかごの真ん中に載せることもやさしい使い方です。負荷がかかる使い方をしてしまうと、様々な不具合に繋がっていきます。
必ずしも原因はこれだけとは限りません。段差が出来てしまって困っている!という方は一度、マイクロエレベーターまでご連絡ください。