小荷物専用昇降機(ダムウェーター)は、巻上機が動くことにより、昇降かごを吊るしている主ワイヤーロープが動き、昇降かごが上がったり、下がったりして荷物を運びます。今回は、巻上機と主ワイヤーロープの関係性について説明致します。
「昇降かご」と「つり合い重り」に張ったワイヤーロープを昇降させて小荷物専用昇降機を運転させる働きがあります。
巻上機は、積載重量や動くスピードによってタイプが異なり、モーターの容量は主に1.5kwまたは2.2kwのものを使用します。
主ワイヤーロープとは、かごを吊っているワイヤーロープです。「主索(しゅさく)」とも呼ばれています。小荷物専用昇降機では、「昇降かご」と「カウンターウェイト」にロープを張り、バランスをとりながら巻上機で昇降させます。
フロアタイプはワイヤー径が8mm、テーブルタイプはワイヤー6mmのものが使用されることが多いです。
主ワイヤーロープは巻上機の綱車の溝にかけてあります。この溝はV字のような形になっており、挟み込むことによって主ワイヤーロープが動く仕組みになっています。ワイヤーロープは必ず綱車の溝にかけてあります。
綱車の直径の大きさは、主ワイヤーロープの径の大きさによって変わってきます。綱車は、ワイヤーロープの直径の40倍以上を求められます。例えば、8mmのワイヤーロープの場合、8mm×40倍=320mmとなり、直径320mm以上の綱車が必要になります。
(6mmの場合は、6mm×40倍=直径240mm以上となります)
巻上機の溝の上部から主ワイヤーロープが何出ているか(=出代と呼びます)によって、検査で是正になるかどうか判断されます。
動かすたびに主ワイヤーロープとの溝との間に摩擦が生じるため、溝が徐々に削れていきます。そのため、長年使用しいている巻上機は、溝が摩耗して主ワイヤーロープの出代が少なくなります。出代が減ってくると、溝が主ワイヤーロープを挟み込む力が弱くなり、綱車が止まっていても昇降かごが動いてしまい、段差の原因となります。また、溝が削られることによってギザギザになると、主ワイヤーロープもダメージを負いやすくなり、素線切れの原因にもなります。
このように、巻上機と主ワイヤーロープには密接な関係があります。片方に修繕が必要な状態になっている場合、修繕を疎かにしてしまうともう片方にも不具合が生じてしまう可能性がありますので、早めの修繕を推奨致します。
もし両方に修繕が必要な状態になった場合は、両方の修繕を行うことで安全な状態を保つことが出来ます。
マイクロエレベーターでは、小荷物専用昇降機の新設や修繕、メンテナンスのご依頼を承っております。検討段階であってもご相談に乗らせていただきますので、お困りのことがありましたら、マイクロエレベーターまでお問い合わせください!