小荷物専用昇降機とエレベーターは「昇降機(リフト)」に分類され、構造が似ている昇降機です。しかし、それぞれ使用する目的が違うため、使い方や構造も異なります。
エレベーターは、乗用や人荷用、寝台用など人が乗るもの、荷物などを載せるものと様々な用途に合わせた種類があります。
一方、小荷物専用昇降機は「物を運搬する」ための昇降機です。荷物を運ぶための昇降機ですので、人が乗ることは出来ません。管理者であっても乗ることが出来ないため、かご内に操作盤を設けることも出来ません。
小荷物専用昇降機は、500kg以下の荷物を対象としており、かごの最大積載量は500kgを限度としています。
エレベーターの積載量は、用途と床面積によって異なり、計算によって算出します。例えば、乗用エレベーターで床面積1.5㎡以下の場合、床面積1㎡につき3600Nとして積載過重を計算する必要があります。例えば、床面積が1.5㎡の場合、計算式としては、3600N×1.5㎡(床面積)÷9.8(重力加速度)=551.02・・となり、551kgが法定積載量となります。法定積載量に50kg以下を加えるか減じた50kg単位の概数が定格積載量となります。また定員は1人当たりの体重を65kgとして、法定積載量または定格積載から算出します。
エレベーターは、地震に対する安全装置を設けなければなりません。「建築基準法施行令第129条の10 3の二」では、「地震その他の衝撃が生じた場合、国土交通大臣が定める加速度を検知し、自動的にかごを昇降路の出入口の戸の位置に停止させ、かつ、かごの出入口の戸及び昇降路の出入口の戸を開き、又はかご内の人がこれらの戸を開くことができることとする装置」を設けなければならないという記載があります。
一方小荷物専用昇降機は、地震に対する安全装置は備えられておりません。地震などで強い揺れを感じたら、直ちに使用の中止をお願い致します。
「建築基準法施行令第129条の10 第1項」では、「エレベーターには、制動装置を設けなければならない」とあり、昇降機技術基準の解説では、「主索(主ワイヤーロープ)が切断したとき等、異常に増速したときにレールを把持してかごを止める非常止め装置」を設けなければならないという記載があります。
小荷物専用昇降機にも主索(主ワイヤーロープ)がありますが、このような装置は備えられておりません。そのため、主索(主ワイヤーロープ)に摩耗や素線切れなどが発生し切れてしまった場合、最下階までかごが落下してしまい、大変な事故に繋がってしまいます。そのような劣化が生じた場合は、早急な修繕を行うことを推奨しております。
エレベーターに比べると安全装置の備えは少ないですが、定期的な点検を行い、不具合が生じた部品は早急に修繕を行うことで事故を防ぐことが出来ます。点検や修繕のご相談も承っております。ご不明な点等ございましたら、マイクロエレベーターまでお問い合わせください。