支配人
タイガー
ご相談なのですが…。小さな旅館をやっておりまして、お食事はお部屋にお運びしているんです。ただ、スタッフが毎晩お膳を持って階段を上り下りしていて、正直もう限界でして。
MEC
タイガー
お部屋食の旅館さんですね。ご相談としてはとても多いお話です。差し支えなければ、建物は何階建てで、お食事はどちらの階で作っていらっしゃいますか?
支配人
タイガー
3階建てで、厨房は1階です。客室は2階と3階に。行きはお膳、帰りは下げ膳で、1日に何十往復もしています。若い子はいいのですが、長く勤めてくれている者が膝を痛めてしまって…。
MEC
タイガー
それはお辛いですね。結論から申し上げると、小荷物専用昇降機(ダムウェーター)が、まさにそのために使われている設備です。ホテルさん・旅館さんは、実は導入が多い業種のひとつなんですよ。
支配人
タイガー
えっ、そうなんですか! 大きなホテルさんが使うものだとばかり思っていました。うちのような小さな宿でも入れられるものなのでしょうか?
宿泊施設で小荷物専用昇降機が活躍する場面は、思っているより広くあります。共通しているのは、「重い・かさばる・回数が多い」という3つです。
| 運ぶもの | よくある場面 |
|---|---|
| お食事・お膳 | 厨房から客室階へ。お部屋食の旅館では往復の回数が特に多い |
| 下げ膳・食器 | 客室階から厨房へ。行きより帰りのほうが重く、こぼれる心配もある |
| リネン類 | シーツ・タオル・浴衣・布団カバー。かさばるうえ、使用後は湿って重くなる |
| アメニティ・備品 | 補充用のタオル、飲料、清掃用品。チェックアウト後の客室準備で一気に動く |
| ルームサービス | ホテルの深夜対応。人手の少ない時間帯ほど効いてくる |
💡 見落とされがちなのが「下り方向」です。
導入の相談では、どうしても「お食事を上げる」ことばかりが話題になります。ですが実際に現場を拝見すると、下げ膳や使用済みリネンを下ろす負担のほうが大きいことが少なくありません。上りと下り、両方の動きを数えてみてください。
支配人
タイガー
言われてみれば、そうですね。うちも下げ膳のほうが人手を取られています。リネンも、洗濯場が1階なので毎日往復していますし…。
いちばん大きいのはここです。荷物は昇降機が運び、人は手ぶらで階段を使う。腰や膝への負担が減り、転倒の危険も下がります。 長く勤めてくださる方ほど、体への蓄積は深刻になります。
階段を運ぶと、どうしても時間がかかり、汁物はこぼれないよう気を遣います。昇降機なら厨房から客室階まで一直線。温かいものを温かいうちにお出ししやすくなります。
運搬に人を割かなくてよくなる分、接客や配膳そのものに人を回せます。人手の確保が難しい今、ここを重く見て導入を決められる宿泊施設が増えています。
見落とされがちですが、使用済みの食器や洗濯物を、宿泊のお客様の目に触れさせずに動かせるのも利点です。裏動線が整うと、宿全体の印象が変わります。
MEC
タイガー
それと、小荷物専用昇降機は人が乗るものではありません。荷物専用です。ここは最初にお伝えしておきます。人を運ぶならエレベーターになり、話がまるごと変わりますので。
小荷物専用昇降機には大きく3つのタイプがあります。宿泊施設では、何を運ぶかと受け渡す場所の高さで選び分けます。
| タイプ | 向いている使い方 |
|---|---|
| フロアタイプ | 出し入れ口が床の近く。ワゴンや台車ごと積み込みたいときに。リネンの大量搬送に強い |
| テーブルタイプ | 出し入れ口が腰の高さ。お膳やトレーを手で載せ降ろしする使い方に。かがまずに済む |
| ユニットタイプ | 昇降路と一体。既存の建物に後から付けたいときの選択肢になりやすい |
お部屋食の旅館さんでしたら、お膳を手で載せる高さのテーブルタイプが合うことが多くあります。一方、シーツをまとめて運ぶ、清掃ワゴンごと上げたいというご要望が強ければ、フロアタイプが現実的です。両方の用途があるなら、多いほうの動きに合わせて決めるのが失敗しないコツです。
支配人
タイガー
…正直に申しますと、いちばん気がかりなのは工事の間、営業を止めなければいけないのかという点でして。うちは小さな宿ですから、長く休むわけにもいかず。
✅ ① どこからどこへ運ぶか
厨房・洗濯場・配膳室と、客室階のどこに出し入れ口を作るか。スタッフの動線に無理がない位置かどうかが、使われる設備になるかどうかを分けます。
✅ ② 何を、どれだけ載せるか
お膳の大きさ、ワゴンの寸法、一度に運びたい量。ここからかごの大きさと積載量が決まります。「将来もう少し多く運ぶかも」まで含めてお考えください。
✅ ③ いつ工事するか
宿泊施設では、休館日・定休日・閑散期に合わせて工事を組むのが一般的です。全館を長く閉める必要はないことがほとんどですが、音や資材の搬入は避けられません。早めにご相談いただくほど、日程を合わせやすくなります。
✅ ④ 電源が足りるか
機種によっては動力(三相200V)の電源が必要です。建物にすでに来ているかを確認しておくと、後から慌てずに済みます。
客室階に出し入れ口があると、通りかかったお客様が興味本位で操作してしまうことがあります。キースイッチ(運転休止スイッチ)を付けておけば、鍵を抜いている間は動かせません。宿泊施設では特におすすめしているオプションです。
厨房や洗い場の近くは、湿気・油・洗剤にさらされます。かごや扉をステンレス仕様にしておくと、サビにくく、拭き掃除もしやすくなります。食べ物を運ぶ設備ですから、衛生面でも意味があります。
朝食の準備や深夜のルームサービスなど、静かな時間帯に動かすことがあります。昇降路が客室のすぐ隣にあると、音が気になる場合があります。設置場所を決める段階で、客室との位置関係を必ず確認してください。後から動かすことはできません。
⚠️ 設置したら終わり、ではありません。
小荷物専用昇降機は、機種によって年1回の定期検査報告が必要になります。また、日々の保守点検も欠かせません。導入を検討する段階から、その後の点検費用まで含めてお考えください。
MEC
タイガー
まずは一度、現地を見せていただくのがいちばん早いです。厨房と客室の位置、階段の場所、電源の状況を拝見すれば、どのタイプが入るか、工事にどのくらいかかるかを具体的にお話しできます。
支配人
タイガー
ありがとうございます。まずは下げ膳とリネンの往復が何回あるか、数えてみます。そのうえでご連絡いたします!
ホテル・旅館での小荷物専用昇降機は、お食事・下げ膳・リネン・アメニティを運ぶ設備として広く使われています。
① 上りだけでなく「下り」の負担を数える。下げ膳と使用済みリネンは想像以上に重い
② お膳を手で載せるならテーブルタイプ、ワゴンごとならフロアタイプ。多いほうの動きに合わせる
③ 工事は休館日・閑散期に合わせる。早めに相談するほど日程を組みやすい
④ キースイッチでお客様の誤操作を防ぐ/厨房まわりはステンレス仕様
⑤ 昇降路と客室の位置関係を、設置前に必ず確認する。音は後から直せない
なお、小荷物専用昇降機は荷物専用であり、人は乗れません。この点だけは、スタッフの皆さまにも徹底していただく必要があります。
「うちの建物に入るのか」「どのタイプが合うか」「工事はどのくらい休めばいいのか」——具体的なご相談をお待ちしております。東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木を中心とした関東圏で対応しております。