今回は、小荷物専用昇降機(ダムウェーター)における保守点検の契約について解説します。小荷物専用昇降機の保守点検の契約も、エレベーターと同じく「POG 契約」と「フルメンテナンス契約」の2種類に大きく分かれます。
「POG 契約」とは、「Parts(パーツ)」・「Oil(オイル)」・「Grease(グリス)」の頭文字3つを取った略で表している契約です。この契約では、機器・装置の保守・点検のみを定期的に行います。「POG」の頭文字となっている、「パーツ」(押しボタン内部の電球や制御盤のヒューズ、点検で使用するウェスなど)、注油や整備に必要な「オイル」や「グリス」といった消耗品はPOG契約に含まれています。それ以外の劣化した部品の取替えや修理等は含まれません。そのため、フルメンテナンス契約に比べて点検費用を抑えることができます。劣化した部品や交換が必要になった部品は、別途見積で修繕費用をご案内することになります。したがってPOG契約の場合、特に劣化が進んでいるリフトでは故障時の部品代や、劣化した部品の修繕費用を別に考えておく必要があります。
「フルメンテナンス契約」とは、定期的な機器・装置の保守点検を行うことに加えて、故障した部品や、劣化した部品の取替えや修理等を行う契約方式になります。そのため、POG契約に比べて保守点検費用は割高となりますが、修理費用も契約に含まれているため、故障した場合の部品交換や、劣化した部品の交換も保守契約の範囲内で対応してもらえます。注意点として、人為的な故障や天災による故障、制御リニューアルなど大掛かりな改修が必要な場合は、除外となっているケースが多く、どのような場合にどこまでの部品交換を行うのか、フルメンテナンス契約の際には確認しておくと安心です。
お客様の保守点検契約が、メンテナンス会社と「POG 契約」または「フルメンテナンス契約」のどちらで契約されているか不明な場合は、まず契約書をご確認ください。それでも不明な場合は、点検を委託している業者に問い合わせて契約内容を確認しておくことをお勧めします。「POG 契約」と「フルメンテナンス契約」はどちらもメリット・デメリットがあります。お客様のご計画に沿ってお選びいただきますようお願いします。
ご契約内容について分からない事や、現在の保守会社以外を探しているという場合もお気軽にマイクロエレベーターまでお問い合わせください。
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