こちらの現場では、給食用小荷物専用昇降機の出し入れ口の扉を交換しました。既存扉が鋼板製で錆が目立ち、荷物の出し入れの際に台車をぶつけて歪みが発生し、劣化によりスムーズな開閉ができない状態でしたので、ステンレス製の扉に交換いたしました。ステンレスの特徴としては錆に強い、加工性が高い、耐熱性が高い、強度が強いといったものが挙げられます。食品を扱うなど、衛生面を気にされる方にはステンレス製への改修をおすすめします。
扉にも種類があり、1枚の扉を上に押し上げる1枚押上式、2枚の扉が中央から上下に開く2枚戸上下開式など各現場に合わせた形状になっています。
また、昇降機の昇降路部分は竪穴部分の防火区画に該当します。竪穴部分とは主に垂直方向に建物の下階から上階に向かって火炎や煙の伝搬が考えられる竪穴空間をいいます。火災発生時に、他の階へ炎や煙の侵入を防ぐのと同時に避難経路を確保するために防火戸などで区画する必要があります。小荷物専用昇降機の扉についても0.8mm以上の鋼板製とし、戸当たり部分を難燃性ゴムを用いて相じゃくりとすればすき間のない構造として遮炎・遮煙性能を有する防火設備とみなされます。
竪穴部分の防火区画を適切に行うことで、火災時の被害の拡大を防ぐことができます。