インバータは小荷物専用昇降機の総合的な運転を担う制御盤内部の部品です。インバータは周波数を調整することによって、モーターの回転数を自由に制御します。このインバータを使用した制御方式、インバータ制御はスロースタート・スローストップの為、段差のない正確な着床を実現できます。そのため荷物の荷崩れを防いだり、部品にかかる負荷を減らすことができ、磨耗を抑え長持ちさせるなど、多くの利点があります。
インバータはメーカーによって使用年数・稼働回数によって交換の基準が定められています。また建築基準法第12条3項に基づく年一回の定期検査で、制御器の項目「接触器、継電器及び運転制御用基板」において検査項目として定められています。定期検査では最終交換日や稼働回数を確認します。交換基準となる使用年数・稼働回数を超過していると要是正の判定がついてしまいます。
この現場では交換基準となる使用年数を超過していたため交換に至りました。インバータは各現場に合わせて着床位置などの設定調整を行うため、故障が発生して即時交換といった対応が難しい場合もございます。動作が不安定な状態のまま使用を続けますと誤動作により重大な事故を招いてしまう恐れもありますので、故障が発生してしまう前に交換をご検討ください。