小荷物専用昇降機には機械室と呼ばれる部屋が設けられています。基本的には屋上または最上階の天井裏にあり、制御盤や巻上機などの重要部品が設置されています。『昇降機が動かない』や『異音がしている』などのトラブルが発生した場合に機械室を確認します。
こちらの現場では機械室への経路が天井点検口から天井裏に入った後に機械室の扉がある造りになっていました。作業員が機械室にたどり着くまでに、天井を踏み抜いてしまう恐れがあり危険なため、機械室の扉をむき出しにする上げ天井に改修しました。
施工の流れとしましては、天井点検口の撤去 → 天井の一部切り欠き → 扉まわりの三方にボード貼付 → 塗装仕上げ にて完成となります。
また機械室については【日本エレベータ協会標準集JEAS-A521小荷物昇降機の構造に関する標準】にて規定があります。
4.10機械室
機械室は、次の各号に定めるところによること。
(1)機械室の床面積は昇降路の水平投影面積以上とし、天井の高さはおおむね1m以上とすること。ただし、機械の配置および管理に支障がない場合においてはこの限りではない。
(2)機器の管理に支障のない幅および高さを有する点検口を設けること。
(3)点検口に施錠装置を有する戸を設けること。
(4)維持管理に支障のないよう機械室の点検口に至る経路を確保すること。
(5)他の設備の機械室とは有効に区画されていること。
(6)点検用コンセントを点検口付近に設けること。
上記規定に適合していない場合は要是正となりますので改修をご検討ください。